1945年、ロトルクは後にDavidとJeremy Fry兄弟により受け継がれますが、最初は小さなエンジニアリング会社でした。
Jeremyは、バルブアクチュエーションビジネスの可能性を見据えて、1957年までには彼の自宅であるBathのWidcombe邸でRotork Engineering Company Ltdとしてビジネスを行っていました。モダンなモジュール構造のアクチュエータ設計というビジョンに対する確信は既にあり、Jeremyは熱意を持ってその開発に努めていました。
初期のBP及びKuwait Oil Companyからのオーダーが、ESSOのヨーロッパの製油所やベネズエラのShellなどの大きな契約へと結びつき、カーグ島、イラン、イラクなど中東へもマーケットは広がりました。本国UKでは、CEGB South Denes発電所からの受注は電力マーケットへの突破口となりました。
1959年までには、年間のアクチュエータ出荷台数は約600台と前年度の2倍以上となり、ロトルク初の海外代理店であるMB John & Hattersleyをオーストラリアのバララトに設立しました。
1960年、ロトルクはO-リングによるシーリングを導入しました。この導入でアクチュエータ容器の環境に対する完全なシール性を得ることに成功し、アクチュエータはカバー構造で部品が容器内に密封された、洗練された形状になりました。ロトルクをバルブアクチュエーションの世界的リーディングカンパニーへと成長させるA-レンジ シンクロセットが初めて登場したのも1960年です。
この躍進的な成長に伴い、ロトルクはBathの古い工場を用いて最初の生産工場を設立しました。ヨーロッパエリアの販路拡張も継続的に行い、アクチュエータ1000台という、これまでで一番大きなオーダーをFrench Atomic Energy Aurhorityから受注しました。この受注をきっかけにロトルクのサービス会社をフランスに設立、続いてフランス、ドイツ、イタリアにて製造のライセンス契約を締結、1962年までには、ローカルでの組立も可能な設備を有する代理店をカナダ、南アフリカに設立しました。
その後もロトルクのマーケットシェアは伸び続け、1962年、製造者としての機能をより追求した設計による生産工場をBrassmill Laneに設立しました。この場所は会社の本社としても現在も維持されています。
1964年、革命的デザインによるA-レンジ シンクロパックが登場、スターターや制御回路を内蔵してアクチュエータの可能性を大きく広げたパッケージ製品の提供を開始しました。シンクロパックはロトルクのマーケットに大きなインパクトを与え、1966年には出荷台数4000台まで実績を伸ばし、60年代の終わりには6000台を超えました。日本ではライセンス生産を開始、ニューヨークにも新しいオフィスを開設しました。
1968年、ロトルクはロンドン証券取引所に紹介され、会社名はRotork Controls Ltdに変わりました。シェアは順調に伸び、2百万ポンドまで到達しました。
1970年までにBathの工場は2倍の大きさに拡張されました。ダブルシール構造の導入によりアクチュエータの信頼性はさらに高まりました。このユニークな特長により、70年代の不安定な経済情勢下でもロトルクは市場における十分な交渉力を保つことが出来ました。
米国ではメリーランド州に新しい生産工場を設立、国内における石油会社やコントラクターへの説得力が強まりました。原子力発電向けに特別に開発されたモデルの試験にも成功し、米国の国際的影響力のある規格団体からの承認も獲得しました。
1974年には、出荷台数は13000台と記録的な領域までのぼり、従業員数もUK及び80ヶ国の海外拠点を合わせて450名を超え、年間のアクチュエータ売上は5百万ポンドとなりました。
60年代、ロトルクはBritish Gas pipelines向けにフルードパワーアクチュエータを納入しました。この部門は70年代は落ち込んでいましたが、70年代後半にロトルク米国工場で新しい過酷条件用フルードパワーアクチュエータが導入されました。その時米国工場はニューヨーク州のロチェスターに移っていました。
Bath工場の生産能力は、さらなる拡張で50%増加したため、ヨーロッパ圏の製造拠点を本工場に集約することが可能となりました。1977年にはインドに製造の合弁会社を設立し、1979年にはドイツに新しい支店が開設されました。70年代の終わりには、電動アクチュエータのサイズに大型バルブ用の新しいレンジが加わり、フルードパワーアクチュエータのラインナップには油圧及びガスオーバーオイルが加わりました。こうしてロトルクの製品ラインナップは比類なきものへと広がりました。
スリーマイル島の事故の影響により、80年代は不景気からのスタートとなりました。そのような状況下においても、ロトルクは1982年にスペインとシンガポールに支店を開設することができました。
半導体技術の導入による製品開発が進められ、新しい技術による‘機能美’の追求へと会社を向かわせました。1984年にJeremy Fryが引退するまでには、会社は年間売上が2千百万ポンドにも及ぶ国際的エンジニアリンググループへと成長を遂げていました。
1985年に計装分野の会社を買収したことは、デジタル通信バスシステムPakscanの開発を後押しするものでした。現在、バスシステムは産業用通信プロトコルとして様々なマーケットで標準的に用いられています。
極東においてもマーケットの可能性を示す大きな拡張がありました。1987年、ロトルクシンガポールが韓国、マレーシア、インドネシア、タイ、香港支店の中枢となり、ロトルクオーストラリアは自国の代理店へと代わりました。中国では、上海、広州、北京にオフィスが開設され、上海と深川ではライセンス生産も開始されました。
その他には、米国とカナダに8つの新しいオフィスが開設され、ベネズエラとモスクワでは新しい会社が形成され、東ヨーロッパでは近代化プロジェクトにより代理店は急成長しました。
1990年までには4千万ポンドという1984年の2倍の大きな利益を記録しました。
1989年、主要なRussian oil pipelineの緊急再建工事における900台以上のアクチュエータの受注を獲得し、最初の納品はわずか4週間以内で行われました。この功績はマーケットシェアの急成長へ再び目を向けさせる原動力となり、子会社や代理店のネットワーク拡張がさらにそれを後押しするものでした。
1990年の初め、A-レンジに代わるインテリジェント形という現在の主力となるIQアクチュエータが登場しました。IQは、‘非貫通構造’によるカバー類を外すことのない設定や調整を実現し、天候を選ばないアクチュエータの試運転が可能になりました。A-レンジからのさらなる製品開発は、この30年間におけるロトルクの最も大きな課題でしたが、IQアクチュエータが依然成功を収め続けていることは、エンジニアが正しい道を選択したことを証明するものです。
1995年、フルードパワーアクチュエータを専門に扱う部門が設立され、英国、米国、シンガポールで運営されました。1999年には、イタリアのルッカのバルブ産業の中心地に位置するFluid System Srlを買収したことは、フルードパワービジネスのさらなる飛躍を告げるものでした。フルードシステムの製品には、水中その他の応用モデルも含まれています。ルッカ工場は、フルードパワーアクチュエータの本工場となり、設計や製品開発の絶え間ない努力により、比類なき製品ラインナップを提供するまでに成長しました。
1987年から共有の形を取っていたExeecoを1993年に完全に買収したことにより、ロトルクギア部門のさらなる投資が始まりました。メジャーなバルブアクセサリーの会社であるValvekitsを買収、1998年には小型の減速機を製造するオランダのAlectoも部門に加わりました。
豊富な製品ラインナップとネットワーク体制により、世界的な販売、サービス、代理店、生産のグローバル展開は劇的に成長しました。1997年以降、マレーシア、タイ、日本、ロシア、中国と次々に新しいロトルクの支店が設立されました。この展開は現在も進んでおり、世界150ヶ国に75の支店や代理店を持ち、それはさらに増え続けています。
IQmk2が登場したのは2000年のことでした。続いて2004年には90度回転専用モデルIQT、2006年にはIQProへのマイナーチェンジにより機能美はさらに追及されます。
2000年のSkilmatic、2002年のJordan Controlsの買収により、電動アクチュエータの発展はさらに続きます。これらと並行して、A-レンジタイプの防水専用機種としてAWTが開発され、マレーシア工場にて生産が開始されました。ロトルクギアもまた、大型モデルや水中用減速機を含むイタリアのOmagを2006年に買収したことにより製品ラインナップがさらに強力なものとなります。
2003年、フルードシステムのルッカ工場は4倍にまで拡張されました。 翌年、オーストラリアのDeanquip Valve Automation、ドイツのPC-Intertechnikを買収したことにより、フルードシステムは極東やロシアの重要な石油及びガスマーケットへのパイプを獲得します。
フルードシステムは、90年代に世界的なフルードパワーアクチュエータのメーカーの1つとして成長を遂げました。フルードシステムの製品ラインナップは、1つの部門が有することのできるものとしては最大級のものです。2008年、スウェーデンのメーカーであるRemote Controlが新たに加わり、SVM (Smart Valve Monitoring)のテクノロジーも製品レンジに加わりました。
一方、同時期の電動アクチュエータビジネスは広く成長の一途をたどります。そして、50年の歴史を振り返ったときに、レトロフィットやサイトサービスはロトルクの活動の中でいつも大きな位置を占めていました。そしてこれらの機能を重視し、2006年にロトルクサイトサービスを創設、ロトルク製品のみならず、他社製品であってもその資産管理に貢献するサービスの提供を始めました。
2008年、IQアクチュエータにおける電動の技術を活かし、調節弁専用電動アクチュエータCVAをリリースします。調節弁マーケットへの新たな飛躍の可能性により、ロトルクはアクチュエータにおけるビジネス展開をさらに広げます。
2009年、米国Flow-Quip社の獲得によりロトルクフルードシステムのマーケットが広がります。その年の後半には、Ralph A. Hiller社の獲得により電力業界向けの製品レンジが固められ、原子力向け製品の開発力も向上しました。