A bespoke solution for London’s Carpenter’s Lock

  • 部門: 水道
  • カテゴリー: 電動アクチュエータ , 減速機&アクセサリ   
  • 製品: IQ - Standard, MTW

概要

カーペンターズロードロック(Carpenters Road Lock)の復興プロジェクトの一環として、ロトルクが、MTWウォーム減速機及び電磁ブレーキを搭載したIQ電動アクチュエータ等、オーダーメイドのソリューションを提供しました。これにより、電動且つフェイルセーフ機能を備えたソリューションが可能となり、本アプリケーションの安全及び性能上の要件を満たすことができました。


概要

ロンドンのカーペンターズロードロックは1934年に建設されたラジアルロック(閘門)であり、当時は革命的であると考えられています。この巨大なラジアルゲートによって、ウォーターワークス川(Waterworks River)からシティミル川(City Mill)までの水の流量を調整し、両方の側の水位を危険ポイントより低く保つことが可能となりました。

不幸にも、1960年代後半には、ビジネス目的での運河の利用が減少したために、同ロック及びその周辺地域へこれ以上の投資が行われることはなくなりました。

2012年のオリンピック開催地が同ロックから比較的近いロンドンに決定した2005年には、再びこの地域に関心が向けられ、投資が行われるようになりました。

ロックの復興はオリンピック開催には間に合いませんでしたが、2017年にはCanal & River Trustがカーペンターズロードロックの復興に190万ポンドを出資しました。


チャレンジ

今回の特殊なアプリケーションでは、電動アクチュエータ等のソリューションが必要でしたが、フェイルセーフ機能を備えたものでなければなりませんでした。インテリジェントな電動ソリューションがなければ、アクチュエータは水位に関するデータに正確に応答することができませんでした。しかしながら、フェイルセーフソリューションがなければ、カーペンターズロードロックは、その下を通行するボートの人々にとって明らかな脅威となったでしょう。


ソリューション

このような問題に対する適切な解決策を確実に見出すため、ロトルクのエンジニアがオーダーメイドの設計を考案しました。具体的には、MTW減速機の後部にROBA-STOP無励磁作動電磁ブレーキを取り付けて改造し、アクチュエータと一緒にそれを設置するというものでした。

電源を入れると、内部の圧縮ばねからブレーキが外れて出力軸の回転が可能となります。電源を切るか、若しくはアクチュエータが電力を喪失すると、ばねが開放されてブレーキが作動するため、どのような状況であってもゲートが落下することはありません。

ゲート支持用のこのブレーキには取り外し可能な手動レバー(オプション)が搭載されており、電源の故障時には、必要に応じて、この手動レバーを用いてばねを圧縮し、ブレーキを解除することが可能です。なお、ROBA-STOPブレーキはMTW減速機の入力軸に取り付けられており、電源喪失時の同減速機のバックドライブを確実に防止します。

カーペンターズロードロックには、上記のような対策を施した電動アクチュエータが取り付けられているため、稀に不具合が起こったとしても、運河ボートの乗員に危険をもたらすことなく、必要時に開閉することが可能です。

アクチュエータ及び(従属する)減速機の設置完了後、カーペンターズロードロックが再稼働し、以降、同ロックはロンドンで人気の観光地となりました。


IQインテリジェント電動アクチュエータは、電源断時でも、常時、アクチュエータが出力する開度を監視しています。また、同アクチュエータのトルクは10~3,000 Nm (7 ~2,200 lbf.ft)であり、MTWマルチターンウォーム減速機と組み合わせることにより、162,000 Nm (119,000 lbf.ft)までトルクを上昇させることが可能です。


詳細情報

顧客名: Canal & River Trust(英国)

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