燃料ターミナルのバージョンアップ時に先進的なアクチュエータ及び制御技術を導入

Sector : 石油&ガス

カテゴリー : 電動アクチュエータ, フルードパワーアクチュエータ, 各種サービス, 制御ネットワーク

製品 : IQ - Standard, CP, Field Service, Extended Scope, Pakscan

概要

ヴォパック社は、南アフリカのダーバンにある自社のタンクターミナルの燃料貯蔵量を増やし、強化を行っていますが、このタンクターミナルは石油製品の輸出入及び流通の重要拠点です。

経緯

このプログラムは、ヴォパック社のインフラを拡張・強化することにより、増加する南アフリカ国内の石油製品への需要を満足すること、燃料供給の安全性を高めること、より清潔な燃料の輸出を促進することを目的としています。このプロジェクトで既存のタンクを最先端の貯蔵タンクに交換したり、パイプライン、ポンプディスペンサー、消火機器などの補助インフラを新たに設置することにより、ダーバンの拠点の貯蔵量が177,735立方メートルから 234,200立方メートルまで増加することが予想されます。

ソリューション

この作業の大部分は、ロトルクの長年のビジネスパートナー(クワズール・ナタール州にある現地代理店)であるエンジニアリング・プロセス・コントロール(EPC)が担当しました。ロトルクの南アフリカ拠点のサポートを受けて、EPCは2012年に、実施予定のバージョンアッププロジェクトに関して、設計・調達・建設管理(EPCM)のコンサルティング企業であるフルーア社と打ち合わせを開始しました。

こうしたプロジェクトの第1段は、タンクのオーバーフィル保護プロジェクトであり、2014年に既設タンクの出・入口弁の自動化が完了しました。このプロジェクトでは、最新型のロトルクIQインテリジェント電動マルチターンアクチュエータ63台をゲート弁に取り付け、最新型のIQTインテリジェント90度回転用アクチュエータ9台をトリプルオフセットバタフライ弁及びボール弁に取り付けました。EPCは、新しいバルブの上部取り付け用金具を設計・加工したり、アクチュエータの試運転を行いました。

これらのアクチュエータは、横河電機の分散制御システム(DCS)に接続された単線式のロトルク・パックスキャン・マスターステーションと2線式のデジタルネットワークによって監視・制御されており、バルブの開閉制御と遠隔からの位置フィードバックを行っています。パックスキャンは、バルブの駆動に特化して設計された通信方式であるため、安全な無線通信機能と冗長ネットワークを兼ね備えています。そのため、機器やケーブルの故障時でも制御を維持することが可能です。外付けの緊急遮断装置(ESD)は、タンクの上限検出用レベルスイッチとアラームに繋がっています。

タンクのオーバフィル保護プロジェクトでは、現場の排水システムに取り付けてあるバタフライ弁の自動化も行いました。具体的には、防液堤内で漏れが発生し、誤って外部に流出することがないよう、これらのバタフライ弁にロトルクのIQアクチュエータと90度回転用IWウォーム減速機を取り付けました。

バージョンアッププロジェクト第2段(燃料2プロジェクト)は、2014年に開始しました。このプロジェクトでは、旧式の小型薬品タンクを取り壊して大型のディーゼルガソリンタンクや無鉛ガソリンタンクに交換しました。これらのタンクは、ダーバンとヨハネスブルグをまたぐ最近建設されたトランスネット社のニュー・マルチ・プロダクツ・パイプラインに繋がっており、急増する輸入石油精製品の需要を満たしています。パイプラインへの接続は、大型の新しいマニフォールドやポンプディスペンサーによって行われています。

タンクのオーバーフィル保護プロジェクトと同様に、“燃料2”プロジェクトでは、重要区域の全バルブをロトルクのIQアクチュエータで自動化し、横河電機のDCSと繋がっているパックスキャン2線式ネットワークで制御を行うようにしました。30台のロトルクのスキルマチック電油式ファイルセーフアクチュエータで、タンクの出・入口弁のトリプルオフセットバタフライ弁を操作しています。これらのアクチュエータは、ハードワイヤードのESD回路を搭載しており、緊急時にはパックスキャンによる遠隔制御を無効にしてバルブを閉じます。IQアクチュエータを取り付けた33台のダブルブロック・アンド・ブリード弁(プラグ弁)で新しいマニフォールドやポンプディスペンサーの流量制御を行っており、追加2台の電油式アクチュエータでパイプラインのピグランチャーのボール弁を操作しています。

2つのバージョンアッププロジェクトでは、4つのパックスキャン・ホットスタンバイ・マスターステーションが個別に4つのループネットワークを制御しています。また、現場には、合計164台のパックボックスを設置しましたが、このボックスは、メンテナンス時の一時的なシャットダウンの際に、主電源やパックスキャンネットワークから個々のアクチュエータを遮断します。このような場合では、パックボックスがパックスキャン4 Keeping the World Flowingネットワークの整合性を維持し、同一ループ上の他の現場ユニットを操作します。

結果

燃料2プロジェクトの最終段階で、EPCは、14台のロトルクCP小型空気式アクチュエータをシーバースのトリプルオフセットバタフライ弁に取り付けました。EPCには開発・設置(E&I)部門があり、ロトルク機器の通信状況の改善と試運転など、燃料2プロジェクトのインフラ部分を担当しました。


EPCは2015年に、燃料3プロジェクトに関して、ヴォパックの新しいEPCMコンサルティング企業であるKanty&Templer社と協力体制を確立しました。

この燃料3プロジェクトでは、2箇所のプラントエリアを部分的に取り壊して、停泊地に積み卸し専用設備を再建築したり、無鉛ガソリンやディーゼルの保管スペースを拡大します。

繰り返しになりますが、EPCがロトルク機器の提供・設置・試運転を行い、EPCの
E&I部門がインフラ部分を担当しました。

ヴォパック・ターミナル・ダーバンにおけるバージョンアップでは、様々な液体製品の輸出入及び保管業務に付随する流量制御や安全関連業務にロトルクのバルブ駆動技術を採用しています。アクチュエータの筐体は、ATEX防爆認証及びIP68の密閉度を有しており、過酷な環境や天候の影響を受ける環境に特化して設計されています。アクチュエータは、完全冗長型ロトルクパックスキャンデジタルバスループで監視・制御されていますが、このデジタルバスループは、パックスキャン・マスターステーションを介してプラントのDCSに繋がっています。IQ及びIQTのインテリジェントアクチュエータは日常的に流量を正確に制御していますが、それらのアクチュエータに加えて、スキルマチック電油式アクチュエータをタンクの出・入口弁に設置しました。これにより、フェイルセーフ動作を実行して流出を防止したり、緊急時に個々のタンクを遮断したりします。

電油式アクチュエータスキルマチックは、その特殊な設計により、ESDで要求される高速のフェイルセーフ動作を実行するのに必要な性能を発揮することが証明されています。スキルマチックアクチュエータは、シンプルで非常に信頼性の高いフェイルセーフ動作用の機械式スプリングを採用しており、緊急時にバルブを安全位置まで移動させます。一方、反対方向への移動は、内蔵の電動ポンプと油圧式シリンダーにより、正確かつ迅速に行われます。このような設計であるため、スキルマチックは、信頼性の高いフェイルセーフ機能とIQインテリジェント電動アクチュエータのメリットを兼ね備えたアクチュエータと言うことができ、アクチュエータの制御や監視、アラーム信号、動作情報のデータロギング及び診断といったハイレベルのアセットマネジメントの心強い味方となるでしょう。さらに、電動化することによって、プラントの制御システム全体がシンプルになり、資本やメンテナンス費用の削減に繋がります。

ロトルクのアクチュエータは全て、カバーを取り外すことなく設定や試運転及びデータ通信を行うことが可能です。ロトルクのBluetooth設定器は、携帯サイズの本質的安全仕様のコントローラであり、メニューの選択は、カーソルを合わせてボタンを押すだけですので、素早く安全に試運転を行うことができます。また、この設定器を使って、アクチュエータの設定フェイルやデータロガーファイルを現場からオフィスに転送し、診断や解析、保管することも可能です。

IQアクチュエータの技術を採用しているため、データを拡散したり、バルブの回転数や、アラームの状態、バルブのトルクの状態、不正操作やその他多数のイベントを記録することができます。

また、ロトルクIQ-Insight2というPCソフトと併用することで、潜在的な問題を発見したり、効率的にアセットマネジメントを行い、プラントの利便性を最大限まで高めることができます。

IQの技術をスキルマチックに込み込むことで、スキルマチックはIQ同様、高レベルの制御・監視機能をもつアクチュエータとなりました。スキルマチックでは、位置リミット、制御オプション、アラーム、表示機能等の設定情報にアクセスして調整することも可能です。IQと同様に、液晶画面でアクチュエータの状態や制御、アラームアイコンを確認することができます。また、この液晶画面からリアルタイムで診断情報やヘルプスクリーンにアクセスすることもできます。

スキルマチックの制御モジュールにより、パックスキャン・デジタルネットワーク制御システムとの互換性など、ユーザーの厳しい要件にも対応することが可能です。

IEC61508-2:2010に準拠した仕様であるため、最高でSIL2及びSIL3までの安全機能を実行する安全システムに使用することが可能です。また、部分ストロークテストを行うことができるため、日常のプロセスに支障を来すことなく、バルブのストロークテストを行うことができます。

この特長は、セーフティ・クリティカル(安全性最重視)バルブのストローク試験実施時にプロセスの中断時間を最小限に抑えるということにおいて、特に重要です。油圧や動作を含め、アクチュエータの全重要コンポーネントについては試験を実施し、緊急遮断に利用できることを確認しています。この試験は、設定器を使用して、遠隔または現場で行うことが可能です。また、ストローク時間に対する部分ストロークの長さを計測したり、試運転時に記録された(ストローク時間に対する)ストローク長さと比較することもできます。
合否が表示され、有効にしていれば、故障アラームが作動します。お客様の仕様に合わせてアラームを設定したり、状態表示機能を設定したり、あるいは一般的な一括アラームを設定することができるアラームは3つありますが、このアラームはそのうちの1つです。また、監視リレーが備わっているため、電源やハードウェアの故障を監視することもできます。

スキルマチックアクチュエータは、一体型の回路を備えており、個別にハードワイヤードで接続された個々のESDアラーム信号を受け取りますが、このアラーム信号は電源の故障時に、アクチュエータを予め設定しておいた安全位置に移動させます。ESD信号の設定を行うことで、内部プロセッサをバイパスするハードワイヤードの回路を通してシャットダウンを制御することが可能になります。このプロセッサ回路は、回路や油圧を監視したり、アラームを監視したりしていますが、ESD回路は独立しているためESD信号を優先します。

ESD動作時には、アクチュエータは、直ちに予め設定しておいた安全位置に戻り、ESD信号が復旧すると、次の信号で作動することができるようになります。追加の保護措置として、オプションのESD手動リセットを有効にすれば、現場でアクチュエータのリセットボタンを押すか外付けのスイッチでリセットするまで、アクチュエータの動作を制限することができます。

また、アプリケーションの要件を満たすようにバルブを閉じる速度を調節することもできます。

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