チリのパイプライン産業におけるロトルクのフルードパワーバルブアクチュエータ

キヨタ(チリの都市)にあるElectrogas社のガスターミナルに設置されたロトルクのHPGアクチュエータ

キヨタ(チリの都市)にあるElectrogas社のガスターミナルに設置されたロトルクのHPGアクチュエータ

  • 部門: 石油&ガス - 中流(輸送)
  • カテゴリー: フルードパワーアクチュエータ 
  • 製品: CP, GP, GO, HPG, Pro Generation EH

概要

ロトルクでは、多種多様な環境や過酷な環境にも適合するフルードパワーバルブアクチュエータを提供しており、チリにおけるパイプライン、貯蔵及びその関連アプリケーションは、ロトルクの製品取り扱い範囲の広さを証明しています。


概要

お客様は、日常業務及び安全遮断用のアクチュエータとして、信頼性の高い、過酷な使用条件用のパイプライン用バルブアクチュエータを必要とされていました。アクチュエータの使用用途は、沿岸の塩水地帯から気温変化の激しい乾燥した砂漠地帯に至るまで、様々な厳しい環境に据付けられた極低温用バルブ等です。辺境地では従来型電源が不足しているため、太陽光発電等の再生可能エネルギーが必要であることが浮き彫りとなりました。

 


チャレンジ

LNG(液化天然ガス)の輸入と供給

LNG(液化天然ガス)輸入・供給関連の主な新規プロジェクトでは、チリ国内のガス需要の40%を満たし、国家のエネルギー自給率を安定させることが期待されていますが、ロトルクのフルードパワーアクチュエータは、こうしたプロジェクトで使用されているのです。キンテロ湾のLNGコンプレックスには、タンカーからLNGを受け取るための海上ターミナルや、再ガス化してパイプラインでチリ中部に輸送するためのプラントが設置されます。

ロトルクフルードシステムズは、以下の特長を持つアクチュエータの注文を受け、フランス、イタリア及びスペインのバルブメーカーに提供しました。

  • 過酷な使用条件用
  • スコッチヨーク空気式
  • ガスオーバーオイル式
  • 高圧

合計87台の空気式アクチュエータ(CP及びGP)が提供されましたが、その大部分は、キンテロ湾海上ターミナルとその隣の貯蔵&再ガス化プラントに据え付けられた極低温用バルブ(ボール弁及びバタフライ弁)を制御しています。

そのため、常に海洋性雰囲気に曝されるため、アクチュエータ付属の制御システムや部品に関しても、厳選された耐食性の材料を使用する必要があります。

Endesa Chileが運営する既存のガスネットワークやコンバインドサイクル発電所と統合するため、キンテロのLNGコンプレックスとキヨタにあるElectrogas社のターミナルを結ぶ28kmの新設パイプラインに、ロトルクのアクチュエータGO(ガスオーバーオイルアクチュエータ)とHPG(高圧アクチュエータ)を提供しました。キンテロLNGターミナルのシティーゲートにあるClass 600ボール弁(24インチ)にはGOアクチュエータが、キヨタプラント(Electrogas社が所有)のゲートにあるClass 600ボール弁(8インチ)とClass 300ボール弁(12インチ)にはHPGアクチュエータが据え付けられています。

GO及びHPGアクチュエータは安全関連業務及び遮断用に設計されているため、パイプラインのガスを動力源として使用します。両ユニットとも、両方向でバルブの動作速度を調節することができ、手動操作にも標準対応しています。ロトルクが提供したアクチュエータは全て、PED 93/27/EC に従い、ATEX 94/9/EC及びIP66M/67Mの認証を取得しています。 キンテロ湾ターミナルは、年間250万トンものLNG(液化天然ガス)を供給することができるようになります。今回の12億ドルのプロジェクトはGNLキンテロSA社が運営していますが、本プロジェクトは合弁事業であり、Endesa Chile(電力会社)が20%、ENAP(国営石油会社)が20% 、Metrogas(ガス販売会社)が20%、British Gas Group plcが40%出資しています。

辺境のパイプライン

チリの鉱業に関しては、電油式バルブアクチュエータEHがソリューションとなり、世界で最も乾燥が酷く、過酷且つ辺境地であるスラリーパイプラインでフェイルセーフ用アクチュエータとしてバルブを正確に制御しています。

チリ北東部のアタカマ砂漠を、Compañia Minera del Pacifico SA社(採掘会社)が所有する80kmのパイプラインが横切っています。本プロジェクトにおいて、調達と建設はConstructora Belfi社が、設計はBrass社が担当しました。このパイプラインはコピアポという街から輸出港であるカルデラ港まで鉄スラリーを輸送しています。パイプラインの途中、アタカマ砂漠の中心にあるUVS-1緊急プラントセンターには、ロトルクアクチュエータが据付けられています。ここでは、年間降水量が僅か12mmで、気温は-15℃(冬期)と40℃(夏期)の間で変動します。

ANSI Class 1500のボール弁(10インチ)を制御するため、スキルマチック電油式アクチュエータEHの据付けを行いました。このEHアクチュエータ(複動)は、SCADAシステムによる遠隔からの監視の下、バルブのオンオフ制御を行います。

革新的な本アクチュエータは、一体型の制御モジュール、油圧式マニホールド及び電源ユニット(モーター、油圧式ポンプ、リザーバーで構成)により構成されています。アクチュエータの本体は防水、防塵、防爆であり、電気的機能に関しては、ロトルクIQアクチュエータのインテリジェントな電動駆動技術を駆使しています。そのため、デジタルディスプレイや、携帯式設定器を使用した非貫通(設定時等にカバーの取り外し不要)の2方向通信によって、設定を行ったり、また、診断、故障表示、開度表示等を行うことも可能です。本アクチュエータは自己充足型のアクチュエータであり、電源は24VDC、太陽電池を使用することも可能です。この現場では、バックアップ用の窒素タンクにより緊急操作の安全性が強化されています。なお、このタンクにより、各アクチュエータはがバルブを3ストロークさせるだけの動力を得ることができます。

 


ソリューション

取り扱い製品の豊富さに加え、チリの現地代理店であるIneco, S.p.A社が販売や設計のサポートを行ったが功を奏し、ロトルクは今回のような重要プロジェクトで成功を収めました。キンテロ湾ターミナルとパイプラインでの作業に関しては、ロチェスターにあるロトルクの米国本社が調整を行い、フランス、イタリア、スペイン、英国の営業所も関与しました。

ロトルクフルードシステムズの南アメリカエリアのエリアマネージャーを務めるGabriel De Visnyeyは、アタカマ砂漠のプロジェクトに関して以下のように説明しています。最近になってロトルクのスキルマチックEHアクチュエータを採用した辺境地のパイプラインは多々ありますが、今回のプロジェクトはそのうちの1つです。電油式アクチュエータ独自の特長が、辺境地への据付けに最適であり、また、可能な限り、太陽エネルギー等の再生可能エネルギーの利用を促進しています。これらのアクチュエータの販売と現地サポートは、ロトルクのチリの代理店であるIneco S.p.A社が担当しました。

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