トルコのパイプラインネットワークでロトルクのアクチュエータがバルブを制御

07/05/2013


トルコのパイプラインネットワークでロトルクのアクチュエータがバルブを制御

アジア諸国から輸出された天然ガス等の製品は、パイプラインを使って、トルコ経由で最終目的地あるいはトルコ国内の消費者に届けられます。このルート沿いにあるコンプレッサステーションは、ネットワーク内の圧力レベルを維持し、地元の消費者までガスを輸送しています。これらの圧縮設備はパイプライン敷設区域にあり、これらのパイプラインではロトルクのバルブ駆動技術が生かされています。

例えば、トルコ東部エルズィンジャンの天然ガスパイプラインのコンプレッサステーションはアナトリア地方にガスを供給しています。ロトルクの一流代理店であるOmas Teknik Pazarlama Temsilcilik社がこのパイプラインに安全関連用途向けのアクチュエータを設置し、試運転調整を行いました。

エルズィジャンコンプレッサステーションは、4基のタービンまたはコンプレッサユニットから構成されています。このステーションは、パイプラインの1時間あたりの流量を160万~200万㎡に保っており、ネットワーク全体の輸送量の向上に貢献しています。ロトルクのバルブアクチュエータは、コンプレッサステーションやプロセス(緊急遮断用の高信頼性安全システム、計装機器、電気機器など)を制御するABB自動化しシステムに組み込まれています。

安全関連のバルブ制御はガスオーバーオイルアクチュエータGOが行いますが、このGOアクチュエータは16~48インチ、ISO Class 600のボール弁及びプラグ弁を操作しています。GOアクチュエータはパイプラインのガスを動力源としています。このガスは、オイルタンクに運ばれ、そこでガスが油圧に変換されます。そして、この加圧作動油を使って、ロトルクのスコッチヨーク90°回転用またはリニア式アクチュエータを駆動します。

加圧作動油を動力として使用することにより、パワフル且つスムーズにアクチュエータを制御したり、パイプラインのガスのシリンダーへの侵入を防止することができます。これにより、シリンダーへの異物混入による腐食やシール力の低下を防止し、アクチュエータの使用寿命を延ばすことが可能です。

ガスオーバーオイルシステムの中核をなす多機能のマニホールドブロックがガス制御機能を内蔵しているため、バルブの制御オプションの切り替えが容易です。標準のガス制御システムには、パイプラインの故障検出、低圧閉、差圧抑制、緊急遮断(ESD)等の機能を持ったオプション機器が用意されています。このマニホールドには、高流量のハンドポンプ、圧力逃し弁、ロッキングハンドルといった機能が備わっています。バルブや駆動系を保護するためのトルク制限装置に加え、高圧及び低圧の制御ロジックの設計も承っております。

GOアクチュエータは防爆認証CE及びATEXだけでなく、IP66MまたはIP67M(第三者機関認証)等の環境保護等級を取得しています。標準の動作圧力は1.0~10.5Mpagであり、90°回転用の最大トルクは600,000 Nm、リニア式の最大スラストは5,000,000 Nであるため、ほぼ全てのパイプラインバルブに使用することができます。

エルズィジャンステーションでは、二次減速機を搭載したIQインテリジェントバルブアクチュエータが、ISO Class 600のボール弁(24、28、48インチ)を操作することにより、オンオフを行っています。 IP68、ATEX適合仕様のIQアクチュエータは、石油、ガス及びパイプライン産業のオンオフ及びインチングに適したアクチュエータとして広く認識されています。IQでは、ソリッドステートの電子装置とマイクロプロセッサベースのプログラム可能な制御・計装機能が併用されているため、沢山のメリットがあります。

例えば、携帯式の設定器を使用してカバーを取り外さずに設定・調整を行ったり、データ転送ができる等のメリットがあります(以前は、設定や調整を行うには電気部のカバーの取り外しが必要でした)。また、主電源の有無にかかわらず、多言語対応の画面から調整を行うことが可能です。

設定器を使用して、アクチュエータのデータロガーから動作情報をダウンロードすることができます。IQでは、データロガーを内臓していることにより、各開閉動作中のトルク分布など、バルブのイベントごとの動作履歴を閲覧することができます。Insight2というソフトウェアを起動したパソコンでこれらのデータと試運転調整中のバルブのトルク分布を比較し、バルブの動作中の摩耗等の問題を検出することができます。これらのデータを解析し、故障診断や予防メンテナンスに活用することで資産管理を改善することができます。

ロトルクアクチュエータはトルコ国内の複数のコンプレッサステーションの自動化システムに組み込まれており、エルズィンジャンステーションはそのうちの1つです。クシェヒル、エスキシェヒル、ハナク、スィヴァス等のステーションで既に設置されていますが、今後は他のステーションでも設置する予定です。ロトルクの電動アクチュエータ及びフルードパワーアクチュエータとOmas社の専門知識、経験及び幅広い能力によって、契約を勝ち取ることができ、更には、今後のサポートも担当することとなりました。