ロトルクへの切替がテムズ川の管理用堰におけるゲート制御のトラウマを払拭


ロトルクへの切替がテムズ川の管理用堰におけるゲート制御のトラウマを払拭

信頼性の低いアクチュエータに代わり、テムズ川の河川管理用堰のラジアルゲートの操作を行うためのアクチュエータとして、ロトルクIQ3非貫通型インテリジェント電動アクチュエータが選定されました。

Hambleden堰は、ヘンリーレガッタの会場となる区域を含め、娯楽活動での利用者が多い区域の水位と流量を保全する上で、重要な役割を果たしています。特に、気候状態の変動が激しい場合や、洪水のリスクが上昇した場合、ラジアルゲートの正確な操作は、河川を効果的に管理する上で極めて重要です。

英国環境庁は以前に取り付けた11台の電動アクチュエータの度重なるトラブルに見舞われていました。ロックキーパー(門の開閉を行い、水門を制御する人)であるSimon Shepherdsonは次のように説明しています。「殆どのトラブルは不適切な環境シールによるもので、雨水がアクチュエータの内部に侵入したことにより電気部品が損傷したのです。実際には、アクチュエータはある日には動作し、ある日には動作しないということが多かったようです。」

さらに、手動操作機構の設計が大型のラジアルゲートには対応しておらず、それがシールの問題を悪化させていました。

予備部品を使用してアクチュエータをバージョンアップしようという試みが何度も行われましたが、ほぼ失敗に終わっています。そのため、これらのアクチュエータをダブルシール構造のロトルクアクチュエータに交換することが決定されました。

ロトルクサイトサービスは、環境庁の業務を行っているIntegrated Water Services社より、ターンキー契約を受注しました。ロトルクの提案は、ターンキー契約におけるあらゆる面のタスクを網羅していたため、プロジェクト管理サービスと同時に作業の一括提供の仕組みを作ることができました。

ロトルクの責任で、既存のアクチュエータや減速機の取り外し、ロトルクIQ3アクチュエータとMTW減速機の取り付け、結線及び試運転調整を行いました。各アクチュエータの隣に接続箱を取り付けて、できるだけ既存の配線を使用できるようにし、追加で費用がかからないようにしました。2014年秋に始まったプロジェクトは、時間どおりに、予算内で完了しました。

新たに設置したのはロトルクの最新型アクチュエータIQ3であり、非貫通設定(カバーを取り外すことなく設定や試運転調整が可能)、診断データの管理機能及び将来的なバージョンアップ(更なる自動化)を見据えた4-20mAのアナログ信号入出力を特長としています。また、IQ3は、頑強なダイレクトドライブのハンドホイール機構を特長としており、手動操作が必要となった際は、重量のあるゲートを移動させることが可能です。

IQ3は、カバーを取り外すことなく設定や試運転調整が可能であるだけに留まらず、そのダブルシールかつ一時的に浸水可能な本体により、現場で結線を行っている最中でも、内部の電子部品を周囲の環境から保護してくれます。IQ3のダブルシール構造では、端子収容部はアクチュエータの他の部分から個別に遮断されています。この構造は、ロトルクの電動アクチュエータでは40年以上もスタンダードな特長でしたが、これにより、最も厳しい環境でも、長期的な信頼性と耐久性及び実用性を向上させることができたのです。

Simon Shepherdsonは今回のロトルクアクチュエータへの交換作業について次のように締めくくっています。「今回のバージョンアップで、以前に経験したような不安や疑念を持つことなく、自信をもって堰を操作することができるようになるので安心しています。」

今回のプロジェクトは、ロトルクサイトサービスが受注した(環境庁または個人が所有する)河川堰のバージョンアップ及び自動化プロジェクトの1つであり、このようなプロジェクトにおける同社の受注件数は増加しています。

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