アクチュエータ及びバルブ自動化におけるデジタル化の重要性

欧州制御エンジニアリング, 2023年4月


アクチュエータ及びバルブ自動化におけるデジタル化の重要性

ロトルクが、最近、雑誌「Control Engineering Europe」に取り上げられ、バルブ自動化及び制御におけるデジタル化の重要性について語りました。

Industrial Internet of Things (IIoT)とは、データの収集・共有を可能にするためのセンサー、電子装置及びソフトウェアを有するデバイスを用いた技術であり、これは可能な限り効率的且つ安全な現場稼働を実現するための基本的アプローチです。

最新の技術革新は制御製品そのものだけに限らず、製品が作成・保持するデータについても為されており、迅速且つインフォームド(情報を知った上での)な選択や、時間・金銭の節約を可能にしながら、性能及び安全性の向上を実現しています。

システムのデジタル化によって得られるデータの価値を誇張することはできないものの、データを受け取るには、現場に、有益情報を取得できる適切な装置を取り付ける必要があります。現場の数百台のバルブを操作する場合、デジタルアセットマネジメントネットワークを機能させるには、高度なデータロギングを可能にするインテリジェントアクチュエータを組み込むことが必要不可欠です。オペレータは、ロトルクIQ3等のアクチュエータを利用して、現場・制御ルームを問わず、統合されたネットワークからデータを取得することが可能です。

ネットワーク制御

幅広いデータ通信は、最新のアクチュエータにおいて、必要不可欠な要素です。バルブアクチュエータのネットワーク制御システムによって、24時間365日の動作制御が可能になったことに加え、1つのフォールトトレラントなフィールドネットワークに最大240台のアクチュエータを組み込み、リピータなしで最長20Kmの遠隔から監視することも可能となりました。

上記要件を満たすため、エンジニアが、分散制御システム(DCS)によるプラント設備の制御・監視を可能にするフィールド通信ネットワークを組み込んでいます。DCSを効率的に機能させるには、マスターステーションが必要であり、マスターステーションとはフィールド機器と中央DCSとを接続する重要な中継器です。

殆どの場合、マスターステーションの構成は、シングル・デュアル・ホットスタンバイから選択することが可能です。

シングルの場合、ホストとの通信やフィールドループネットワークが冗長化されています。デュアルの場合は、左右のユニットがそれぞれ遮断・独立して存在しています。さらに、ホットスタンバイの場合は完全に冗長化されており、搭載されているインターフェースは全て、左右共通です。そのため、異常が発生すると、データや制御を失うことなく、シームレスにホットスタンバイ側がメインに切り替わります。

インテリジェントアセットマネジメント

クラウドベースシステムを利用して資産の保守・管理をデジタル化することには、多大なメリットがあります。ロトルクiAM等のインテリジェントアセットマネジメントクラウドベースシステムは、インテリジェントアクチュエータ内部のデータロガーから取得した情報の解析が可能です。 直感的レイアウトの、分かり易いオペレーティングシステムを搭載しているため、複雑な統計データを単純な画像データに集約し易くなりました。

IQ3等のインテリジェントアクチュエータは、数十年に渡り、有益なデータ(初期ではトルク、動作、温度データのみ取得可能。その後、最新の製品シリーズでは振動データの取得も可能)を取得し、アクチュエータ内に保管してきましたが、その当時の課題として、このようなデータが実際にはプラント運用の利益のために活用されていない、という事がありました。しかし、現在では、新技術を活かして、データを処理・理解し、アクチュエータやバルブの性能を解析することが可能となりました。

現在の焦点は、最も効率よくデータを取得、処理し、合理的且つ簡単な方法で提供するにはどうすれば良いか、ということです。このような方法で、現場で実際に発生している問題の全体像を把握できれば、保守及びダウンタイムの最小化のための判断を迅速且つ合意のもとで下すことが可能です。

最新型インテリジェント電動アクチュエータの全要素(クラウドベースインテリジェントアセットマネジメントからDCS、そしてマスターステーションに至るまで)が、長期効率とアセットマネジメントを後押しするシンプルで、安全且つ経済的なソリューションを提供しています。

PDFのダウンロード