現代奴隷に関する方針

はじめに

ロトルクplc及びその子会社(「ロトルク」と総称するか、本声明文では「当社」と呼称する)は、グローバルエンジニアリンググループとしての責任を認識しており、自社事業及びサプライチェーンの如何なる部分においても、奴隷や人身売買が行われていないことを保証致します。当社は、このようなリスクが全世界で完全に排除されるまで、パートナー企業、サプライヤー及びその他利害関係者とともに、自社事業、ビジネス、サプライチェーンにおける現代奴隷のリスクを特定・緩和することに尽力しています。

本声明文は、自社事業または自社サプライチェーン内で奴隷や人身売買が行われていないことを確認するための手順を定めたものであり、2022年度(2022年12月31日まで)中に実施するものです。本声明は、現代奴隷のリスク管理体制強化の進捗と、翌年の目標を報告することを目的としています。

当社事業及びサプライチェーン

事業

ロトルクは、石油&ガス、水道&廃水、発電、化学処理産業のアプリケーションにミッションクリティカルなフロー制御・計装ソリューションを提供する市場トップのグローバル企業です。世界中のお客様の効率の向上、温室効果ガスの排出削減、環境への影響の低減、安全性の確保を支援しています。当社は英国バースに本社を置き、17の製造拠点と、67の営業所を有し、170か国以上の国々で製品・サービスを提供しています。また、当社には約3200名の従業員が在籍しています。

サプライチェーン

ロトルクの製造プロセスは、主に、購入した部品の組み立てを行うことであり、お客様のニーズに合わせて販売後にカスタマイズすることも含め、金属製品の機械加工を施すこともあります。2022年現在、当社は6000社以上のサプライヤーと提携しており、年間250万ポンドを外部部品サプライヤーからの調達費に充当しています。そのうちの約75%が国内サプライヤー、25%が国外拠点のサプライヤーです。

サプライヤーとの関わり合い

当社の調達及びグローバルサプライチェーン(GSC)チームが製品ごとの戦略を立てて、「在庫を減らし高い倫理・技術基準を満たしつつ、迅速なお客様対応が可能な供給基盤に移行する」という目標のもと、自社のサプライヤー関係管理プロセスに矛盾しないように取り組んでいます。

当社のサプライヤー選定・認定手順では、ESG(環境、社会、ガバナンス)の前提条件、財務安定性、サプライチェーン及び物流、品質保証、技術力、自主的な継続改善など、複数の基準を考慮しており、上記ESGの要素には、児童労働、現代の奴隷、賄賂・不正行為、差別に関する質問が含まれています。 当社サプライヤーには、適用される安全衛生及び環境上の法的要求事項を満たすことを義務付けており、選定の際には、適宜、拠点訪問を実施しています。

当社の標準契約条件では、サプライヤー行動規範の遵守をお願いしています。この行動規範では、サプライヤー及びその代理店等は、強制労働や、あらゆる形式の奴隷の使用を禁止しています。また、自社サプライチェーンでこのような慣行がないように、懸命に取り組むことが求められています。さらに、当社のサプライヤー行動規範では、サプライヤーは、人権、汚職・不正行為防止、雇用慣行、安全衛生、環境に関する最低基準を満たしていることが求められています。当社では、サプライヤーに、本規範へのコンプライアンスについて、定期的な見直しと確認を行うよう、お願いしています。

当社では、2022年にサプライヤー行動規範を更新し、この機会に、当社サプライヤーに対する、人権に関する要求事項をさらに明確化致しました。

当社では、サプライヤーとの関係の見直しと継続的発展の一環として、企業間関係から生じる奴隷・人身売買のリスクを継続的に評価し、確認されたリスクに対する適切な対処手順を確認しています。例えば、サプライヤーに適切な契約義務を課す、サプライヤーと協力して改善・是正措置の契約を立てる、徹底的にサプライヤーとの関係を断つ、等の手段を取ることがあります。

価値観、方針、計画

Stronger Together(共に成長)」「Always Innovating(常に革新)」「Trusted Partner(信頼されるパートナー)」といった当社の価値観は、自社における働き方を明確に示しています。当社の価値観は自社従業員によって選ばれたものであり、当社グローバル事業に携わる全員に適用されます。当社は、自社文化に定着したこのような企業体質を守り抜き、促進しようと考えています。

当社の価値観は、2019年に導入された行動規範に盛り込まれており、主要言語に翻訳されています。当社は、当社に関わる全員が常に、規則に従い、誠実な行動をとることを期待しています。この規則では、潜在する現代奴隷のリスクを特定する方法についても説明しており、このリスクに関連する懸念も含め、何らかの懸念がある場合は、「Speak UP(内部通報)」を奨励しています。

当社のModern Slavery Policy(現代の奴隷方針)は、2021年7月に取締役会で承認されたものです。本方針は全従業員に適用されるものであり、イントラネットにて確認が可能、且つ、複数の主要言語に翻訳されています。本方針では、従業員の意識向上のため、 自社サプライチェーン及び外部委託業務、高リスク国家・地域を所在地とするサプライヤー、人材紹介会社を介した採用活動などにおける現代の奴隷と、高リスク業務の主な指標について説明しています。また、本方針では、管理措置の有効性評価のためのKPI(重要業績評価指数)についても定義しています。 役員会議では、この1年間、現代奴隷に対する当社の姿勢と、このようなリスク管理の重要性を再確認致しました。役員会議では、本方針が促進され、必須研修を受講することの重要性が強化されました。

ロトルクは、オープンで透明な企業文化を構築しており、Speak UP Policy(内部通報方針)がそれを証明しています。Speak UP Policyでは、不正行為が疑われる場合は、通報後に不利益な扱いを受けることを恐れずに、通報することを奨励しています。当社では、直属の責任者またはグループ人事部長、若しくはグループ法務顧問兼会社秘書役に報告することを奨励しています。 また、当社では、Safecallが運営する、世界的な独立系外部通報サービスを提供しており、複数言語での対応が可能です。このサービスでは、希望すれば、匿名での通報が可能であり、従業員・社外の利害関係者(サプライヤー等)・一般を問わず、24時間365日利用することが可能です。 また、通報の際は、フリーダイアルか、若しくはSafecallのウェブサイトを利用することができます。通報された内容は、効率的、効果的且つ矛盾のないように処理されます。

最新版のSpeak UP(内部通報)ポスターでは、現代奴隷が特に注意・報告すべき懸念事項であることを強調しており、当社ではこの1年間、自社の全拠点において当ポスターの掲示を徹底しました。

2022年1月、当社では、必須のコンプライアンス認証プロセスを導入しました。これにより、ロトルクの全従業員及び請負業者は、前年度に、当社行動規範とコンプライアンス方針を遵守したこと、及び必須研修を完了していることを毎年確認することが義務付けられています。

現代奴隷に関するリスク評価

自社事業

2022年は、多くの地域で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる移動制限が緩和され、当社取締役及びその他上級管理職が過去2年間よりも多くの拠点を訪問することができました。これら役職者は、訪問時には、現代奴隷及び人身売買のリスクの兆候がないか、に注意を払っていました。

自社サプライチェーン


当社サプライチェーンにおけるリスク解析は、以下のように、様々な要素で構成されています。

リスク評価:

当社では、ユニセフ、国際労働機関、トランスペアレンシー・インターナショナル等の信頼できる機関が提供するオープンソースの指数を用いたリスク基準のサプライヤー評価モデルを用いて、国ごとにリスクを区別しています。この評価モデルでは、人間の自由、児童労働の蔓延、賄賂・不正行為、安全衛生について評価しています。

 

的を絞った自己評価:

2022年には、約900社の当社サプライヤーにESG自己評価アンケートを実施しました。とりわけ、当アンケートでは、サプライヤー行動規範を理解しているか、関連する自社独自の方針が実行されているかを確認することを要求しており、従業員に関する質問や、どのように従業員に関する一定の基準を満たしているか、等についても質問しています。これらアンケートに対する回答の収集と照会は自動的に行われています。当社では、リスク基準のアプローチを行っており、サプライヤーの回答に応じて、追跡調査を行っています。2022年は、現代奴隷に関する問題は確認されておりません。

さらに、サプライヤーが現代奴隷の防止のために実施している対策をより明確に理解すべく、一部の主要サプライヤーには、さらに詳細な「販売者承認アンケート」への回答を依頼しました。

書類調査及び現場監査:
当社調達チームがこの1年間で28拠点を訪問(新規サプライヤーの認定、または既存サプライヤーの再評価)、5拠点をリモートで調査の上、評価若しくは再評価しました。これに加えて、現地工場の担当チームも拠点を訪問の上、調査を行いましたが、現代奴隷の懸念がある現場は1件もありませんでした。

継続的なオンラインモニタリング:

当社は、警告を受け取ったり、新規サプライヤーに係るリスクの理解に役立てたり、既存サプライヤーの監視のために、独自のインテリジェンスプロバイダを利用しています。

人材紹介会社:


人材紹介会社の利用により、当社が知らず知らずのうちに現代奴隷のリスクに晒される可能性が高まります。これに対処すべく、当社では、人材紹介会社との契約書に現代奴隷の条項とサプライヤー行動規範の遵守を盛り込んでおり、これら契約条件に署名した紹介会社のみを経由して派遣社員を受け入れています。

研修と意識向上


従業員の研修及び意識向上は当社コンプライアンスプログラムの中核的1要素であり、2022年においても重要な焦点でした。当社の学習管理システム(LMS)は、従業員にコンプライアンス研修のコンテンツを柔軟に提供し、完全な監査を実現するものであり、当社は2022年も引き続き、このシステムを活用しました。

リスク管理の知識と能力を構築するため、2022年第1四半期に現代奴隷に関するオンライン学習コースを初めて導入しました。本研修は全従業員必須の研修であり、以下について学習するものです:

  • 現代奴隷とは何か?その形式と重要指標
  • 現代奴隷の判断及びその対応方法
  • 重要なリスク領域
  • 現代奴隷が危惧される場合の報告方法
  • 専門知識が要求される取締役、調達チーム、人事部に対象を絞ったコンテンツも用意されています。

サプライヤー監査担当者も2021年に、調達チームとSlave-Free Alliance(反奴隷解制協会)が実施した専用の研修を受講しました。

 

効果、進捗、今後1年

当社は、現代奴隷及び人身売買のリスクに常時注意を払う必要があることを認識しており、適宜、オンラインモニタリング、事業の見直し、自社サプライヤーの監査に継続して取り組んでいます。

現代奴隷に関する当社方針には、自社のリスク低減策を監視し、管理措置の効果を評価するための一連の重要業績評価指標(KPI)が含まれています。当社では、毎年KPIの見直しを行い、それらが関連性のあるもの且つ適切であることを確認しています。

当社は2023年も引き続き、既に実施している対策の改善を行い、現代奴隷及び人身売買のリスクの特定と対処に取り組んでいく所存です。2023年は、以下対策を実施する予定です。

  • サプライヤー行動規範及びサプライヤーの法令順守のモニタリングについて、関係する自社従業員に専用の研修を実施する。
  • 引き続き、自社行動規範とオンライン通報モジュール“Raising Concerns” を新入社員研修プログラムの一環に組み込む。
  • 勤続年数の浅い社員及び新入社員を対象に、現代奴隷に関するオンライン研修を行う。
  • 現代奴隷に関する方針を含め、行動規範や関連する方針の遵守を、今後も毎年、オンラインにて誓約する。
  • 今後も、自社サプライヤーのリスク分析を必要な程度まで強化する。
  • オリエンテーションや定期的再評価の一環として、またはサプライヤーリスク分析により監査が必要であると判断された場合のためにサプライヤー拠点監査プログラムを維持する。
  • KPIの継続的モニタリング

 

現代奴隷法

本声明は、Modern Slavery Act 2015(2015年現代奴隷法)s54(1)に従い、ロトルクplc及び、ロトルクコントロールズ、ロトルクUKも含めたその子会社を代表して発表しております。

本声明は、ロトルクplc、ロトルクコントロールズ及びロトルクUKの承認を受けています。

Kiet Huynh
最高経営責任者
2023年3月

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