現代の奴隷に関する声明

はじめに

ロトルクplc及びその子会社(「ロトルク」と総称するか、本声明文では「当社」と呼称する)は、グローバルエンジニアリンググループとしての責任を認識しており、自社事業及びサプライチェーンの如何なる部分においても、奴隷や人身売買が行われていないことを保証致します。本声明文は、自社事業または自社サプライチェーン内で奴隷や人身売買が行われていないことを確認するための手順を定めたものであり、2021年度(2021年12月31日まで)中に実施するものです。本声明は、現代奴隷に関するリスク管理体制強化の最新の進捗状況と、翌年の目標を報告することを目的としています。

当社事業及びサプライチェーン

事業

ロトルクは、石油&ガス、水道&廃水、発電、化学処理産業のアプリケーションにミッションクリティカルなフロー制御・計装ソリューションを提供する市場トップのグローバル企業です。世界中のお客様の効率の向上、温室効果ガスの排出削減、環境への影響の低減、安全性の確保、を支援しています。当社は英国バースに本社を置き、17の製造拠点と、67の営業所を有し、170か国以上の国々で製品・サービスを提供しています。また、当社には約3200名の従業員が在籍しています。

サプライチェーン

ロトルクの製造プロセスは、主に、購入した部品の組み立てを行うことであり、お客様のニーズに合わせて販売後にカスタマイズすることも含め、金属製品の機械加工を施すこともあります。当社は4000社以上のサプライヤーと提携しており、年間230万ポンドを外部部品サプライヤーからの調達費に充当しています。当社のサプライチェーンネットワークは主に地域ごとのネットワークであり、複数の拠点を担当するサプライヤーが500社、世界各地の当社拠点の大部分を担当するサプライヤーが100社あります。

サプライヤーとの関わり合い

当社のGSS(グローバル戦略的調達)チームとGSC(グローバルサプライチェーン)チームが製品ごとの戦略を立てて、自社のサプライヤー取引管理プロセスが「在庫を減らし高い倫理・技術基準を満たしつつ、迅速なお客様対応が可能な供給基盤に移行する」という目標に矛盾しないように管理しています。

当社のサプライヤー選定・認定手順では、ESG(環境、社会、ガバナンス)の前提条件、財務安定性、サプライチェーン及び物流、品質保証、技術力、自主的な継続的改善など、複数の基準を考慮しており、上記ESGの要素には、児童労働、現代の奴隷、賄賂・不正行為、差別に関する質問が含まれています。

当社の標準契約条件では、サプライヤーに、サプライヤー行動規範の遵守をお願いしています。この契約条件では、サプライヤー及びその代理店等は、強制労働や、あらゆる形式の奴隷の使用を禁止しています。また、自社サプライチェーンでこのような慣行がないように、懸命に取り組むことが求められています。さらに、当社のサプライヤー行動規範では、サプライヤーは、人権、汚職・不正行為防止、雇用慣行、安全衛生、環境に関する最低基準を満たしていることが求められています。

当社では、サプライヤーとの関係の見直しと継続的発展の一環として、(企業間)関係から生じる奴隷・人身売買のリスクを継続的に評価し、確認されたリスクに対する適切な対処手順を見極めています。例えば、サプライヤーに適切な契約義務を課す、サプライヤーと協力して改善・是正措置の契約を立てる、徹底的にサプライヤーとの関係を断つ、等の手段を取ることがあります。

価値観、方針、計画


Stronger Together(共に成長)」「Always Innovating(常に革新)」「Trusted Partner(信頼されるパートナー)」といった当社の価値観は、自社における働き方を明確に示しています。当社の価値観は自社従業員によって選ばれたものであり、当社グローバル事業に携わる全員に適用されます。当社は、自社文化に定着したこのような企業体質を守り抜き、促進しようと考えています。

当社の価値観は、2019年に導入された行動規範に盛り込まれており、主要言語に翻訳されています。当社は、当社に関わる全員が常に、規則に従い、誠実な行動をとることを期待しています。この規則では、潜在する現代奴隷のリスクを特定する方法についても説明しており、このリスクに関連する懸念も含め、何らかの懸念がある場合は、「Speak UP(内部通報)」を奨励しています。

当社のModern Slavery Policy(現代の奴隷方針)は、2021年7月に取締役会で承認されたものです。本方針は全従業員に適用されるものであり、イントラネットにて確認が可能、且つ、複数の主要言語に翻訳されています。本方針では、従業員の意識向上のため、 自社サプライチェーン及び外部委託業務、高リスク国家・地域を所在地とするサプライヤー、人材紹介会社を介した採用活動などにおける現代の奴隷と、高リスク業務の主な指標について説明しています。また、本方針では、管理措置の有効性評価のためのKPI(重要業績評価指数)についても定義しています。 役員会議では、この1年間、現代奴隷に対する当社の姿勢と、このようなリスク管理の重要性を再確認致しました。役員会議では、本方針が促進され、必須研修を受講することの重要性が強化されました。

ロトルクは、オープンで透明な企業文化を構築しており、Speak UP Policy(内部通報方針)がそれを証明しています。Speak UP Policyでは、不正行為が疑われる場合は、通報後に不利益な扱いを受けることを恐れずに、通報することを奨励しています。当社では、直属の責任者またはグループ人事部長、若しくはグループ法務顧問兼会社秘書役に報告することを奨励しています。 また、当社では、Safecallが運営する、世界的な独立系外部通報サービスを提供しており、複数言語での対応が可能です。このサービスでは、希望すれば、匿名での通報が可能であり、従業員・社外の利害関係者(サプライヤー等)・一般を問わず、24時間365日利用することが可能です。 また、通報の際は、フリーダイアルか、若しくはSafecallのウェブサイトを利用することができます。通報された内容は、効率的、効果的且つ矛盾のないように処理されます。

当社では、1年間、内部通報の重要性とそのメカニズムを以下のように強調してきました:

  • CEOのメッセージを従業員に伝達し、誠実に行動すること、及び、不正行為と疑わしき行為を報告することの重要性を伝えました。
  • Speak UP(内部通報)も含め、当社行動規範内の様々な内容を網羅した2つのオンラインモジュールを導入しました。
  • 「倫理的問題:不正行為と疑わしき行為を通報する」に関するオンライン再教育コースを提供し、その中で、内部通報の方法を繰り返し説明し、報復を一切容認しない方針を再確認しました。
  • Speak UP(内部通報)ポスターを更新し、自社の全拠点に掲示しました。最新版のポスターでは、現代奴隷の問題に関して、疑わしき行為を発見した場合は、通報することを明確に示しています。

現代奴隷に関するリスク評価

自社事業
2021年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックにより、出張が困難な状況が継続しました。当社取締役及びそれ以外の上級管理職が、可能な範囲で、世界各地の拠点に出向き、現代奴隷や人身売買のリスクの徴候がないか、引き続き警戒を払いました。

自社サプライチェーン
当社サプライチェーンにおけるリスク解析は、以下のように、様々な要素で構成されています。

リスク評価:
当社では、2020年、ユニセフ、国際労働機関、トランスペアレンシー・インターナショナル等の信頼できる機関が提供するオープンソースの指数を用いたリスク基準のサプライヤー評価モデルを開発し、国ごとにリスクを区別しました。この評価モデルでは、人間の自由、児童労働の蔓延、賄賂・不正行為、安全衛生について評価しています。2022年にこれを更新し、商品基準の要素についても評価できるようにすることを目標としています。

Targeted Self-Assessment 的を絞った自己評価:
In late 2020, we contacted approximately 1,300 of our key suppliers and asked them to provide us with a completed questionnaire which aims to improve our understanding of the measures they take to prevent modern slavery. 当社は、2020年後半に、主要サプライヤー約1300社と契約を交わし、どのような現代奴隷防止策を講じているのかを理解するために、アンケートを実施しました。In addition to asking our suppliers to confirm whether they are familiar with our Supplier Code of Conduct and have relevant policies of their own in place, we also ask detailed questions about their workforce, and how they ensure certain standards are met in relation to their workers. 当社のサプライヤー行動規範の認識度と、自社における関連する方針の実施状況を確認するだけでなく、(サプライヤー側の)従業員に関して詳細な質問をし、自社従業員に対する一定の基準をどのように満たしているのか、についても聞き取りを行っています。We take a risk-based approach to following up with our suppliers based on their responses to our questionnaire. 当社ではリスク基準のアプローチを行っており、当社アンケートの回答に応じて、サプライヤーの追跡調査を行っています。In 2021, we invested in an online tool to improve the way we administer the questionnaires. 当社では、2021年、アンケートの管理方法を改善するために、オンラインツールに投資を行いました。The tool also enables increased coverage of our supply base. そして、このツールにより、より多くのサプライヤーにアンケートを実施することが可能となりました。As we develop experience and intelligence in this area, we continue to improve our question sets to identify modern slavery risks.当社では、本分野の経験と知識を強化しており、現代奴隷のリスクを見極めるためのアンケートの改善を継続的に行っています。

Desktop Reviews and Site Audits書類調査及び現場監査:
In 2021, we reviewed the results of the 2020 self-assessment and investigated 71 concerns. 2021年、当社では、2020年の自社評価の結果を見直し、71の懸念事項を調査しました。No modern slavery incidents were substantiated. 現代奴隷にあたる行為は確認されませんでした。In addition, during the year, GSS conducted over 20 site visits (qualifying new suppliers or re-evaluating existing suppliers) and 60 remote reviews for assessment or re-evaluation. さらに、1年間を通してGSS(グローバル戦略的調達)チームが20の現場を訪れ(新規サプライヤーの認定、または既存サプライヤーの再評価)、また、60の現場をリモートで調査の上、評価若しくは再評価しました。Further visits were conducted locally by the factory-based teams. これに加えて、現地の工場の担当チームも現場を訪問の上、調査を行いましたが、現代奴隷の毛懸念がある現場は1件もありませんでした。None of the site visits raised modern slavery concerns.

Continual Online Monitoring:
We use an independent intelligence provider to alert us to and help us understand any risks associated with new suppliers as well as to monitor our existing suppliers.

 

 

 

 

ロトルクは英国バースに本社を置くグローバルエンジニアリンググループです。弊社はアクチュエータの設計、製造及びそれに関連するサービスと流量制御機器及び計器を、石油&ガス、電力、水道、鉱業、海洋等の多種多様な産業に提供しています。弊社は、25の製造拠点と65の(英国)国内営業所及び38カ国84地域に現地営業所を構えており、3800人以上の従業員が在籍しています。ロトルクに関する詳細は年次報告書をご参照下さい。なお、年次報告書は弊社ウェブサイトにてダウンロードすることが可能です。

本声明文では、2017年度のロトルクの“歩み”について説明しており、弊社事業及び弊社サプライチェーンにおいて、奴隷及び人身取引が行われていないことを保証しております。また、本声明文では、2016年の声明文で掲げた対策措置の進捗について報告しており、次年度の方向性についても検討しています。

ロトルクは高い倫理基準を有しており、弊社の従業員や、サプライヤーも含めた弊社の取引先が同等の高い倫理基準を有している事を期待しています。現代的奴隷は犯罪行為であり、人権侵害にあたります。このような行為は、奴隷、強制労働、人身取引の禁止に違反することになり、英国現代奴隷法で禁止されています。

弊社は、自社の事業及びサプライチェーンにおいてこのような行為を断じて容認致しません。

グループの方針

弊社の倫理及び価値に関する声明文では、引き続き、弊社の従業員及び業務請負業者(個人も含む)に期待する最低限の倫理・価値基準について明記しております。この声明文では、特に英国現代奴隷法について言及しており、強制労働の全撤廃を含む国連グローバルコンパクトの10原則を遵守することを義務づけています。昨年、弊社は倫理及び価値に関する声明文を更新し、“その他”の中で、反奴隷制へのアプローチについてさらに詳しく説明しています。

弊社では、内部通報制度により、不正行為に該当する可能性のある行為に関しては、全て報告するよう推奨しています。弊社は、今後も内部通報制度を理解し、利用することを推奨していく所存ですし、また、全ての報告が効率的に、効果的かつ矛盾のないよう確実に処理するために明確な内部報告の仕組みを作りました。

弊社ビジネス

世界中の弊社事業所が社内監査の対象となっており、全従業員が最新の内部通報制度を理解し、利用できる環境にあります。弊社は、如何なる拠点においても、現代的奴隷に関する潜在的問題を全て認識しているわけではありませんし、このような問題の前兆を理解しているわけでもありません。

弊社サプライチェーン

弊社は商品及びサービスのグローバルサプライチェーンを有しており、このサプライチェーンが世界中で弊社のビジネスをサポートしています。このサプライチェーンには弊社製品向けの部品を生産するサプライヤーも含まれます。弊社は、今後も現代的奴隷のリスクの高い国(世界奴隷指数に基づく)にサプライヤーを引き続き抱えていくことを理解しております。

リスクアセスメント及びデューデリジェンス(正当な注意義務)

弊社サプライチェーン内で現代的奴隷は1件も確認していませんが、前声明文では、将来的なサプライヤー及び既存サプライヤー向けの“グループ・サプライヤー・デューデリジェンス・プロセス”の見直しを行い、一貫したグループ全体のプロセスを考案することを焦点としました。この声明文の最後で、サプライヤー調査を実施し、そこで現代的奴隷について言及することを宣言致しました。

実際にサプライヤー調査を実施し、現在、その結果について分析を行っており、反奴隷体制を発展させる上で、こうした情報の最も有効な利用方法を検討しています。

現代奴隷法に関する英国政府のガイダンスに従い、弊社は、サプライチェーン内の現代的奴隷のリスクをよりよく理解し適切に目標を定めるため、国家、部門、取引及び業務提携におけるリスクを再検討しています。

監視

2017年に、弊社は、更に多くのサプライヤーをオンラインでの連続監視の対象とし、様々なリスト、記録、メディアソースなど、4000件以上について監視しました。現在、将来的な改善の可能性を判断するため、監視プロセス及びソフトウェアソリューションの見直しを行っています。

法令遵守

弊社では、サプライヤーに法律及び法令の遵守を義務づけており、最低限の人権、雇用慣行、安全衛生及び環境等において最低限の基準を満たすことを必須としています。また、サプライヤーが、自社の下請け会社が法律・法令を遵守し、同等の最低基準を満たしていることを確認することを期待しています。違法行為が確認された場合は、弊社が調査を行い、適切な措置を講じますが、これには、サプライヤーを支援し、業務及び従業員の取り扱いについて改善を行ったり、取引先、法執行機関あるいはその他機関等との関係を改善して状況を立て直すことも含まれます。

契約における法令遵守

昨年、英国標準購買契約条件を見直し、その原案を更新致しました。

最新の原案では、現代的奴隷及び新サプライヤー行動規範について明確に言及しています。英語版のサプライヤーの行動規範及び標準購買契約条件につきましては、弊社のウェブサイトにて掲示しており、各言語への翻訳を行っています。また、最新の契約条件につきましても、英国国外で使用を目的として内容の修正を行っています。弊社では、物品等の購買プロセスにサプライヤー行動規範をさらに組み込むための方法を検討しています。

研修

2016年、地域統括マネージャー、ジェネラルマネージャー及び購買戦略チームを対象に研修を導入致しました。自社の学習&開発チームと協力して、現代的奴隷に関するオンラインの研修モジュールを開発致しました。このモジュールは2018年中に運用を開始する予定です。

本声明文はロトルクplc、ロトルクコントロールズ株式会社、ロトルクUK株式会社の承認を受けています。

 

Martin Lamb

経営執行役会長

2018年1月

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